Herbert George Wells( 1866年9月21日-1946年8月13日 ) !
略してH・G・ウエルズ!
兵庫県神戸市垂水区出身のレイザーラモンHG!
ふぅ~!
フォー!
ハードゲイ!
ウェルズ!
ではなく、
ハーバート・ジョージ・ウェルズは、近代イギリスを代表するSF作家です。
ウェルズは、
イングランドのケント州の下層階級に生まれ、貧しい中、苦労して理工系の学校を卒業!
学校卒業後は、生物学(理科)の先生を目指しましたが保守的な学校組織に合わずフリーのジャーナリストになりました。
その後、作家に転身して、物議を起こすようなSF小説を数多く発表!
SFの大御所として世界に名を轟(とどろ)かせます。
SF!
SFとは、
科学的な空想にもとづいたフィクションの総称です。
SF!
憧れの留学先であるサンフランシスコ(San Francisco)の略称ではなく、サイエンス・フィクション(Science Fiction)の略語です。
そして、
HG・ウェルズは、
その代表作として『タイム・マシン』(1895年)、『モロー博士の島』(1896年)、『透明人間』(1897年)、『宇宙戦争』(1898年)!
現在でも、ハリウッドでリメイクされるような素晴らしい作品を残しています。
HG・ウェルズは、本当に凄いです。
20世紀の初頭に国際連盟の創設、原子爆弾の誕生、日本国憲法の草案!
などの近未来の出来事を予言しました。
スゴイ!
ウェルズは、私生活でも当時の常識に囚われない自由な生き方を追求しました。
そして、
2020年!
令和二年!
1月31日!
日本!
白水社からウェルズの衝撃的な小説が翻訳、販売されました。
君の名は。
「 ポリー氏の人生 」!
これは、SF小説ではありません。
厳しい階級社会、せわしない産業社会である大英帝国の人間社会でおぞましい「 穴ぼこ 」に落ちた中年オヤジの話です。
「 ポリー氏の人生 」!
白水社HPの紹介文から引用すると「「SFの父」が自身の青少年時代を投影し、下層中産階級の苦悩をコミカルに描く。作家自ら、最愛の作品と認める自伝的長篇。本邦初訳 」と書かれています。
定価3,300円!
翻訳は、日本文藝家協会会員の高儀進さん!
【目次】
第1章 始まりと大商店
第2章 パーソンズの解雇
第3章 仕事
第4章 孤児のポリー氏
第5章 ロマンス
第6章 ミリアム
第7章 フィッシュボーンの小店
第8章 一切の片をつける
第9章 ポットウェル・イン
第10章 ミリアム再訪
訳者あとがき
「 ポリー氏の人生 」!
[原題]The History of Mr. Polly
この小説?
古式伝統が残る英国風!
まるで、映画「 ジョーカー 」みたいな小説です。
白水社のHPの紹介には、
『 百年を経ても心揺さぶる自伝的長篇虐げられた者への同情と格差社会への憤り 』!
と書かれています。
amazon.co.jpで書かれている本書の内容説明では、『 アルフレッド・ポリーは貧しい商店主の家に生まれ、服地商の徒弟になる。父の遺産で自分の店を開いたものの倒産寸前。高嶺の花の少女にふられた反動で結婚した従妹の妻との仲もうまくいかず、ある決心をする―自宅に火を放って剃刀自殺をし、生命保険と火災保険を妻に遺して不毛な人生に幕を下ろすのだ、と。一九一〇年に発表された、ウェルズ中年期のコミック・ノヴェル。「SFの父」が自身の若き日を投影し、下層中産階級の苦悩をコミカルかつ哀切に描く。作家自ら、最愛の作品と認める自伝的長篇。人生の「おぞましい穴ぼこ」に嵌まり込んだ男の起死回生の物語。本邦初訳 ! 』とあります。
まあ、
「 ポリー氏の人生 」!
この小説のメイン・テーマは、
窮屈な英国の階級社会の中で自分の人生を大きく変えたい!
貧乏で苦労が多い自分の人生を終わらせたい!
自分の
すべてを変えたい!
足掻(あが)く!
藻掻(もが)く!
そして、
この小説は、
HG・ウェルズの若く貧しい時代をテーマとしたストーリー!
とにかく、
人生を変えたい!
今の人生を終わらせたい!
「 ポリー氏の人生 」!
そんなことを実現させたいと思っている哀愁漂う中年オヤジの話です。
この小説の読者層は、人生を諦めかけている三十代以降の成人男性!
また、近代における英国文学を勉強、研究している学生さんって感じです。
「 ポリー氏の人生 」!
初版は、
1910年!
274ページ!
翻訳もギコチナイ感じがなくサクサクと読めます。
しかし、
昔風の文体が苦手な人には、読み進めるのが苦痛かもしれません。
でも、陰気な英国の小説では珍しく、軽快で明るい印象を受けます。
ポリー氏が落ちた、おぞましい「穴ぼこ」!
人間社会?
どこにでもあります。
もちろん、
21世紀の日本社会にもたくさんあります。
出身地、
親の職業、障害、
貧富の格差、
男女の出会い、体力の差、性別、
経済の変動、容姿・外見の差、年齢、
知能の格差、健康、不健康、生まれながらに持っている障害、
進学先、
就職先、行動力、
精神力、離婚、結婚、
初体験の相手、結婚相手の親、
結婚相手の資力、不妊、転勤、男運、女運、育ち、タイミング…
数えればキリがない。
この小説を読むと人生における失敗と成功について考えさせられます。
どこもかしこも「 穴 」だらけ!
それでも、
この小説を読むと
HG・ウェルズは、
人間の一生に希望を持っている気がします。
じっくりとSFの大御所が書いた小説を読んで文学する。
自分の短く儚(はか)い人生を考える。
見つめる。
そこに成功法則アリ…