午前8時45分に
船は出た。
本当に短い滞在期間であった。
香深港では、
盛大な
お見送りが
行われていた。
礼文島には、
「 サヨナラ 」、
という言葉はない!
見送る時は、
誰もが
「 行ってらっしゃい! 」である。
もちろん、
港から私を見送ってくれる人はいない。
やがて、
汽笛を
鳴らして
船は、
動き出した。
香深港が遠ざかる!
そして、
本日の
洋上は、
晴天である。
礼文島に
来るときは、
天候が
荒れていたので
見られなかったが
洋上から見る利尻富士は、
本当に美しい!
船の中は夏休み!
子供たちがはしゃいでいた。
夏休みに子供を
礼文島に連れてくる親御さんは偉い!
礼文島への旅は、
子供たちにとっては、
忘れられない思い出になるだろう。
私は、
デッキに出て海を眺める。
北国の海は、
もっと
暗い感じだと
思っていたが
今日の海は、
明るい色をしていた。
しかし、
出港してから
一時間程で稚内へ近づくと
天候が曇りだして雨が降り始めた。
なんか、
急に
船が
モクモクと霧に
覆われていく感じである。
そして、
気が付いたら!
いつの間にか雨になっていた。
やがて、
稚内の岬が
見えてきたら
雨が止み、霧が晴れてきた。
でも、
天気は、
曇りである。
私は、
稚内市を歩いて、
散策しようと思っていたので
空を見ながら天気が回復することを祈っていた。
そして、
船が稚内の
フェリー・ターミナルに入港した。
たくさんの乗客が列を作り、船を降りて行く!
その際、
気になったのが
団体旅行のツアー・コンダクターである。
ツアー・コンダクター!
汗を
流しながら、
必死に人数確認を行う!
ツアー・コンダクターを
傍(はた)から見ていると
その仕事の厳しさが伝わってくる。
そんな、
一般人の
夏休みに奉仕する
ツアー・コンダクターの姿を
横目にしながら、
私は、
稚内市へ
降り立った。
稚内市は、
パラパラと小雨が降っていた。