今回、
「 東京 占い -無料幸運- 」が
紹介する本は、
米国を代表する
大御所モダン・ホラー作家である
スティーブン・キングが書いた
ジュブナイル・ホラーの傑作!
「 IT 」、
という小説です。
この「 IT 」は、
90年代に
一度、
ドラマ化されています。
日本では、
当時、
レンタルビデオ店にて、
「 スティーブン・キングの・・・ 」、
というタイトルでVHSが置かれていました。
多分、
都市部でも、
劇場上映は、
されていなかったと思います。
当時、
「 IT 」に
登場するピエロが
怖いと話題になりました。
そして、
このピエロは、
少年・少女だけを
惨殺した実在の猟奇殺人者を
モデルにしています。
この作品は、
基本的に
ホラーなのですが、
スティーブン・キングの代表作である
十代の少年、
少女向けの作品である
「 スタンド・バイミー 」、
のような世界観で描かれています。
あまりにもドラマ版で映像化された、
「 IT 」、
に出てくるピエロの
印象が強かったので、
原作は、
あまり読まれていないような気がします。

「IT」/by Stephen King/文春文庫
原作は、
1986年に発表されており、
日本では、
1994年に文春文庫から出版されています。
本ブログ掲載写真の
文庫本は、1998年に刷られたもので、
一冊、
大体、500ページ程度の
文庫が四巻となっています。
小尾美佐氏の
翻訳も良く、
すごく読みやすい小説です。
この小説は、
会話文が大半なので、
読書好きの方なら、
すぐに読めます。
また、
アメリカ中間所得層の白人文化を
知りたい人にも興味、深い一冊です。
基本的に
原作もドラマ版の
「 IT 」、
と中身は、
あまり変わりません。
2017年11月上旬に
日本で公開された劇場版、
「 IT 」、
に関しては、
時代設定のみ違っています。
また、
ピエロもスタイリッシュになっています。
ストーリーに関しては、
アメリカの
退屈で平凡な
田舎町で発生する
少年、少女の誘拐事件の背後に
「 IT 」と恐れられる謎の怪物に
いろんな、
背景を持つ7人の
少年、少女達が立ち向かう物語です。
これが第一部です。
第二部は、
大人になった
少年、少女たちが
田舎町に再集結して、
「 IT 」に最終決戦を挑みます。
そして、
彼等は、
「 IT 」の正体を目撃します。
彼等を
恐怖に
陥れた存在、
「 IT 」の正体は・・・
ちなみに
英語のITは、
ドイツ語のES(エス)と同義であり、
精神医学用語の
無意識という意味が本作の
タイトルに込められています。
そして、
この「 IT 」は、
ホラー作品だと誤解されていますが、
社会的に
無力だと思われている
少年、少女達が同じ感情を共有して、
さらに
力を合わせ、
大人が無視して、
近寄ろうとしない恐怖(悪)と戦う教養小説です。
多分、
日本だと、
子供は、
弱者となり、
いつも、
被害者として
扱われますが、
「 IT 」に登場する
米国の
少年、
少女達は、
友情を糧(かて)にして、
恐怖と
直接、
戦うことを選びます。
そして・・・
「 IT 」、
映画を見て、
原作を読むのも、
おススメです。
原作を
読んでから映画を見るのも、
おススメな小説です。
ちなみに「 IT 」と聞くと
90年代後期に
日本の株式市場を
沸かせたITバブルを思い出します。
当時、
IT革命を
推進した
森喜朗前首相が
ITに関する本を書店で探していたら、
スティーブン・キングの
「 IT 」を
手に取ったという逸話があります。
この話が本当かどうかはわかりませんが、
「 IT 」、
全四冊、
約3800ページ程度、
面白いので読んでみてください。
小説では、
旧日本軍のゼロ戦、
零式艦上戦闘機も登場します。