今回、
「 東京 占い-無料幸運- 」が
紹介する一冊は、
風水をテーマにした集英社文庫です。
タイトルは、
帝都物語で有名な荒俣宏氏が書く、
『 風水先生地相占術の驚異 』
/(ISBN-10: 408748159X/集英
社文庫/本体540円+税)です。
この本は、
1994年に出版された本ですが、
とにかく、
中身が濃く、
風水の勉強になります。
この本は、
書店、コンビニと
世の中に多く売られている。
風水を利用して開運を目指す本では、ありません。
読んでいて面白いDrコパ~!とか、そんな感じの
本でもありません。また、占術を目的とした風水のマ
ニュアル本でもありません。
この本は、
中国を起源とする風水の歴史、思想、
さらに、
その応用と
荒俣氏、龍先生による香港、東京フィールドワーク
など、二人で、いろんな場所を歩いています。
それに加えて荒俣氏の物凄い文献の読み込みに
より、風水という妖しい世界について、こと細やかに
書かれた凄い一冊です。
文庫のページ数も分厚く、309ページあります。
本書の中身を紹介すると前半では、中国起源の風
水の歴史、経済都市国家香港の風水師による風水
の見方や思想の紹介、次に香港から日へ向かい
バブル時代を輝かせた大企業の立地や国会議事
堂を鑑定します。今も昔も事業や政治においても地
相は、重要な役割を果たしています。
後半では、風水都市ソウル、沖縄、奈良、京都、大
阪、東京の地理から、風水と都市の関係を解説し
ています。
特にp61の「現代に残された風水事件」では、
韓国の首都ソウルに隠された真実など、大日本帝
国臣民であった現代日本人として、知らない歴史
であり、今は、無き旧朝鮮総督府の位置に込めら
れた意味など、恨(ハン)の国と日本の関係をいろ
いろ考えさせられました。
最後の章では、二つの龍脈がぶつかるワイルドな
北海道について、札幌、函館の街を中心に、北海
道の可能性を探っています。
とにかく、歴史と占術が好きな人や、風水を勉強し
たい人には、おすすめの一冊です。
この本を読むと、
火山が多く、プレートがぶつかり合う、
日本列島の風水的ヤバさが、よく理解できます。
最後に荒俣氏に少し注文を加えれば、やや、中世
日本における風水利用の話に関しては、推測が先
に立っているような感じがします。学術論文やハー
ドな歴史書ではないので、その点は、あまり気には
なりませんが、荒俣氏の能力なら、もっと資料を整
理して、突っ込んだことが書けるので残念です。
1994年に
出版された古い本ですが、
今、
読んでも、
テーマがテーマなので、
古臭い感じがしません。
是非、
荒俣宏氏と龍先生には、
このような文庫で終わらず、
21世紀の風水史に残るような、
学術&実践書を書いて欲しい。